2025年6月。
京都のヴィパッサナー瞑想会に参加しました。
この記事では、その5-10日目(+帰宅日)の体験談を紹介します。
前回の記事は以下です。
ヴィパッサナー瞑想の方法と知識をモノにし、成長に繋げる後半戦。
それまでの、キツさと戦う山あり谷ありの過程を紹介していきます。
なお全体のまとめ記事や注意点などは以下にまとめています。

それでは、いきましょう〜!
参考:瞑想中の1日のスケジュール
4:00:起床
4:30:瞑想(部屋orホール)
6:30:朝食
8:00:グループ瞑想(ホール)
9:00:瞑想(部屋orホール)
11:00:昼食
13:00:瞑想(部屋orホール)
14:30:グループ瞑想(ホール)
15:30:瞑想(部屋orホール)
17:00:ティータイム
18:00:グループ瞑想(ホール)
19:00:講話
20:30:グループ瞑想(ホール)
21:00:就寝
【5日目】調子の浮き沈みを感じる日々
さあいよいよ半分に差し掛かる5日目。
過ぎてしまえば早いなと思いつつ、まだ半分以上あるという現実。
昨日から始まったヴィパッサナー瞑想を磨き上げていきます。
やはり朝は全く集中できなかったものの、昼頃からは調子が上がってきます。
何だこれ、瞑想は時間帯によって変わるのか?スポーツみたいだな、とかまた余計なことを考えつつ、踏ん張っていきました。
またこの日の昼食時、一発悲劇がありました。
いつも通りカフェオレを飲もうと牛乳を入れようとしたところ、、
手を滑らせて牛乳をこぼしてしまいました。泣
やべえ!!最悪だ!!!
そう思い急いでティッシュで拭くも、周囲への申し訳なさと罪悪感でいっぱいです。
せめて謝れたらな、、と思いつつも沈黙のルールがあります。
すると、70代くらいの参加者のおじいちゃんが、ティッシュを持ってきて一緒に拭いてくれました。
うう、本当にありがたい。。でも感謝も謝罪も伝えられないもどかしさ。。
そんなこんなで、微妙なモヤモヤを抱えつつ、昼からも瞑想瞑想。
それにしても、グループ瞑想前にゴエンカ氏のラジオで「一所懸命に働きなさい。忍耐強く、粘り強く、忍耐強く働きなさい。」と無限に聞かされて、僕たちはスパルタ指導を受けてるのかと感じてきました。
しかも働きなさいって何だ?訳し方が変なのか?取り組みなさい、とかで良いじゃないか、と余計なツッコミを頭でするせいで、なおさら集中できない。
そんなこんなで5日目は、微妙に集中しつつ、気も逸れる、といった1日でした。
「これで半分か、本当に残りの期間で成長できるのかな」とまた不安になってきました。
【6日目】体力的にもキツくなってくる

折り返しの6日目。
「もう半分切ったぞ、ちゃんと瞑想を身につけて帰るぞ。」
と気合を入れて始める朝の瞑想。
しかし依然として朝は眠気に負け、ウトウトします。
また「2日目と6日目が山場」と講話で言われていましたが、それは何故なのか?
6日目になって気づきました。
体力的にキツくなってくる。
これに尽きます。(個人的に)
なにせ慣れない環境で毎日10時間瞑想。
外界の情報を完全に遮断した上に、他の人とも会話できなけらば風呂もマトモに入れない。
ベッドにはマットレスがなく、固い木の土台に直接敷布団を敷いて寝るスタイル。
しかもいびきで中々寝付けないし毎朝早起き。
これらが積み重なり、朝起きた段階で「体きついな」と6日目に自覚しました。
いやー、きついなぁ、という気持ちが膨れ上がっていく。
「確かに帰りたくなる気持ちはわかるな」
とネガティブモードになりましたが、さすがに残りの日数の方が少ないので、ここで帰る方が勿体無い。
そんなこんなで、体のキツさを認識しつつ、いつも通りに瞑想した6日目。
キツさがプラスされた分、集中力も落ちてましたが、瞑想自体には慣れてきました。
【7日目】一番厄介な欲望が顔を出す
さあ7日目。
もう1週間経ったのか、外では何日だろう?と完全に曜日感覚も失っている様子。
それに、昨日の体のキツさと相まって、もう一つの地獄が襲ってきました。
そう、性欲です。
まさか、ここにきて爆発し始めるとは。
当然、施設ではルール上「一切の性行為」を禁じられています。
流石にルールを破るわけにはいきません。
が、一度この波が来ると、困ったことに一生頭に出てくるんですよね。
これが本当につらくて。泣
なんか7日目を機に、体の痛さに普段の雑念、そこに性欲が加わり、心身ともに地獄のようなキツさが襲ってきました。
まあ考えてみると、食欲も睡眠欲も一応は満たされていますが、性欲はむしろ完全に封じられています。
三大欲求とは伊達じゃありません。
そして怖いことに、まだ7日目だということ。
あと3日間、この情念と格闘しながら瞑想する恐ろしさ。
が、ここで一つ役に立った方法があります。
そう、それがアーナーパーナー瞑想です。
一度呼吸だけに意識を本気で向けると、自然とヴィパッサナー瞑想の集中力が上がる。
これが僕にはかなり効き目があり、雑念が出たら毎度アーナーパーナーに切り替えて、一度集中する。
そしてまたヴィパッサナー、、という最強ムーブができました。
かくして、暴走した性欲へのささやかな抵抗も自力で見つけ、7日目も乗り越えました。
【8日目】瞑想を身体に染み込ませる
さあいよいよ終盤戦。
あと3回寝たら帰るのか、と現実世界がグッと近づいてきた実感がありました。
それに8日目となると、ヴィパッサナー瞑想のやり方もどんどん増やされます。
「左右対称に意識を向けなさい。両肩、両腕、両足。左右同時に意識を向けなさい。」
「流れるように意識を動かしなさい。まるでバケツの水を被ったときに、止まることなく自然に流れていくように」
意識の向け方への指導が多く入ってきます。
これがまた難しいのですが、たまに上手くいくこともあり、瞑想の楽しさも同時に感じてきました。
そして8日目の講話では、「集中して瞑想できるのはあと1日です。」とのこと。
どういうこと??
「聖なる沈黙」は10日目の朝に解かれ、それが解かれるともう集中できません。
だから実質、あと1日のつもりで瞑想しなさい。
とのことです。
まあ言ってることはわかるけど、たかが沈黙が解除されるだけでしょ?
別に10日目も普通に瞑想のスケジュールがあるんだし、何をそんな大袈裟な、、。
とこの時は思っていました。
(が、もちろん10日目にこの意味がわかります。)
【9日目】最後の追い込み!
さあ実質ラスト1日。
ラストくらい気合い入れるかー!と意気込むものの、中々集中できない。
その原因は、現実世界への勝手な希望です。
「帰ったら何しよう」
「久しぶりに肉食べようかな」
「酒飲めるのかー、嬉しいなー」
とかいう、まさに渇望の塊がどんどん出てきて、もはや集中どころではありません。
最後くらい集中しなきゃ、、やべえな、と常時焦っていました。
しかしそれと同時に、「普段はこんくらいアレコレ渇望してるんだな」と、ふと客観的に見つめ直せました。
ここに来るまでは、こんな渇望は普通のことで、別に気にも留めなかった。
でも今は「渇望してるな」と客観視できる。
これだけでも、少しは成長したんだなと思えました。
、、、、、、、、、
と良い感じの気づきを語ってますが、9日目はまさかのずっと集中できず、呆気ないラストとなってしまいました。
【10日目】解放。仲間たちと感動の会話
さあいよいよ最終日。
朝だけ瞑想し、その後に沈黙が解かれます。
いよいよ喋れるんだなー。逆に緊張するなー。
と、色々な感情が渦巻いていました。
そしていざ解かれた後、、
それはもう、感じたことのない感動に満ちていました。
これまで10日間、一緒に生活をしているものの一度も会話できなかった仲間たちと、遂に感情を共有します。
不思議なことに、一度も会話していなかったのに、既に顔見知りかのように会話が弾みます。
瞑想の感覚や、どこから参加したのか、なぜ参加したのか。
普段どんなお仕事をしてるのか、スケジュールは大丈夫だったのか、等々。
10日間の苦行をともに乗り越えた仲間ということで、不思議な絆が芽生えていました。
また女性棟の方からも、男性以上に楽しげで大きな声がワイワイ聞こえてきます。
(やっぱ女性のコミュ力すげえな…)
と改めて感心しました。
そして、なぜ10日目は集中できないかの理由がわかりました。
「もう瞑想は終わりだ、あとは楽しく思い出作って帰ろう」
多分、誰もがそんな感情になっていたと思います。
要するに、完全に気が緩んでしまったのです。
こうなってしまうともう、元の集中に戻るのは至難の業でした。
そしていつものように食堂に向かうと、景色が一変しているのに気づきます。
壁一面にヴィパッサナー瞑想の軌跡や案内、今後の展望、財務状況などの宣伝広告が大量にかけられていました。
「一気に展示会になっちゃったよ笑」
とみんなで笑いながら、案内を読み色々と語り合います。
ここで直接、施設に寄付をする時間もあり、何人かは現金で寄付していました。
もちろん強制ではありませんが、無料で参加できてるのも寄付のおかげ。
講師や奉仕者(食事や掃除のボランティア)の方々も無給なので、全て寄付で回ってるんだな、それじゃあこのくらい宣伝してナンボだな、と、応援したい気持ちになりました。
その後、少しだけ瞑想をし、奉仕者やゴエンカ氏のビデオメッセージを見ます。
それが終わったあと、夜は自由に会話してもいいとのことでした。
就寝時間もいつもより遅い22時。
この日の夜は、色々なバックボーンを持った他の参加者(それも珍しい方ばかり)と話しまくり、他には変えがたい最高の思い出になりました。
ちなみに、他の参加者は以下のような方がいました。
普通の生活じゃ出会えないような凄い人たちと話せたことも、貴重な経験になりました。
まさに人生の宝のようなひと時でした。
【11日目(帰宅日)】いざ現実世界へ

いよいよ帰宅日です。
ただ帰るだけの日と思ってましたが、しっかり4時に起こされました。笑
朝に数十分だけ全員で瞑想したあと、ゴエンカ氏のビデオメッセージを1時間ほど視聴します。
ビデオだと全然暇しないし、会話も面白いし釘付けになるんですよね。
なんでいつもの講話の時間はラジオオンリーなんだろう、、と心底思いました。笑
そのあと、朝ごはんを食べて部屋と施設を掃除し、帰ります。
最後の掃除の時もみんなで話していたので、素敵なひと時になりました。
解散は朝の8時半。
電車組は近くのバス停まで送ってもらいます。
(僕は運良く、他の車で来ていた参加者に園部駅まで送ってくださいました。)
そんなこんなで、長いようで短く、それでいてこれまでの人生で最も異質だった10日間が終わりました。
「よし、いつもの生活に絶対活かしてやるんだ!」
その思いを胸に、施設を後にします。
ヴィパッサナー瞑想協会さん、ありがとうございました!
ありがとう、京都ダンマバーヌ!!
最高の、特殊な思い出になりました!!
これにて、僕の人生で最も異質な10日間の幕が降りました。
また、この長い体験談も読んでくださり、ありがとうございます。
気になった方はぜひ、日程をチェックして参加を検討しちゃいましょう。
たった10日で人生は変わります。
あなたの感想を聞けるのも、楽しみに待っています。

それではまた!
全体のまとめ記事も読んでみてください♪
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